第8回コラム 論語と算盤

こんにちは、スタッフTKです!
7月も中盤に差し掛かりました。京都はここ数日、夏を感じさせるゲリラ豪雨が続いています。
もうすぐ梅雨も明けそうですね。

夏といえば、山下達郎『さよなら夏の日』(始まってもいないですが)。
「波打つ夕立のプール しぶきを上げて 一番素敵な季節が もうすぐ終わる」…少し涼しくなった風とペトリコール、灰色の空、プールの塩素の匂い。
この曲を聴いて思い出されるノスタルジーは、一体誰の記憶なのでしょうか。

さて、今週は弊社代表税理士の竹仲より、大河ドラマが話題の渋沢栄一の書籍『論語と算盤』についてのご紹介です。


 今話題となっている渋沢栄一の「論語と算盤」についてお話ししたいと思います。

 今の道徳に対して最も重要だというべきものは、弟子たちが孔子について書いた「論語」という書物の中にある。一方、企業経営や実業を象徴するものとして算盤がある。利潤追求と道徳とは一見、矛盾し、かけ離れたものだと思われるが、経営には道徳が必要である。また、道徳には実利的な視点での実践が必要である。ゆえに論語と算盤は実は甚だ近いものだと論じている。
 道理と事実・利益とは必ず一致する。世間の進歩は、大いなる欲望をもって利殖を図ることがなければ、決して実現しない。そうでないと、ただ空理空論、虚栄に赴き、心理の発展を促進するものにはならない。
 ゆえに私たちはなるべく政治や軍事が力を持ち過ぎることなく、実業界が力を持つようになることを希望する。実業界の務めは富の増殖である。これがきちんとなされなければ、国の富が蓄積されることはない。
 国の富をなす根源は何かといえば、仁義道徳なのである。正しい道理の富でなければ、その富は永続しない。ここにおいて、論語と算盤というかけ離れたものを一致させることが、今日の重要なことだと思われる。

 渋沢栄一は、単に富の追求ではなく、事業の持続可能性、すなわちモラルある経営について、述べています。大切なのは論語と算盤を合わせた関係であって、それらが車の両輪のように同じ大きさであることが大切なのです。


日本の資本主義の父、渋沢栄一。
戦前に出版された本ですが、ビジネス・エシックス(企業倫理)はSDGsにも関連する、昨今とても話題のテーマですね。
ぜひ一度、手にとってみてください。

それでは、またお会いしましょう!
今週はスタッフTKと竹仲がお届けしました。